前回記事(vol.01)からかなり時間が経ってしまいました…申し訳ありません… (vol.01は安全装置についての記事です)
前回記事は思いの外、安全装置だけの記事になってしまったのですが、今回はエスクードの走りの良さをピックアップしていきたいと思います。
□エスクードの走り(1.4ターボエンジン&4WD&6AT)
まずもって、国内を席巻するSUV市場を見てみると…
●CVT率高すぎ
●重すぎ
●2WDの設定多すぎ
という事を個人的には感じずにはいられません。
■例えば、CVT
ラバーバンドフィールという言葉は昔から使われていましたが、それを感じるまでもなく、CVT特有のゼロ発進からの初速のダルさは皆様も感じた事がきっとあるはず。
僕も昨今のSUVを全て試乗したわけではありませんが、この「初速のダルさ」は「軽快感」を根こそぎスポイルするシロモノで、軽快なクルマ好きの僕とすれば「このクルマに乗ったらこれを毎回感じながら運転しなきゃならんのか…」と嫌になります(あくまで個人的感想)。
なぜなら、初速の軽快感こそが「このクルマ軽いな!」と思う部分の真骨頂なわけで、ある程度の速度域にならないと感じる事のできない軽快感では、そのクルマを軽快という印象にはできないという事になります。
■そして、重量
エスクードは1,220kgと、大きくなりつつある国内SUV市場ではコンパクトで軽い部類に入ります(参考までに、新型のトヨタRAV4はエスクードに比べて全長50cm、全幅10cmほども大きい。また重量はなんと1,630kg!)。
この軽さ&コンパクトさがスズキの得意とするところなのは、このブログを読んで頂いている方々には言わずもがなでしょう。そして、車両重量の軽さがもたらすメリットもまた、ご存知のはず。
■最後に、2WDの多さ
コンパクトSUVといえば、トヨタのC-HRやホンダのヴェゼルが代表格として挙げられると思いますが、これらの販売台数TOPはいずれも2WD(しかも、当然CVT)。
僕の個人的な感覚からすれば、SUV=4WDでしょ!だって、「スポーツ・ユーティリティ・ビークルなんだから!」という図式が成り立つので、どうにも2WDのSUVは「見た目が良ければ中身はどうでもいいのね…」と思っちゃいます。
□エスクードの真価は、その「走り」にこそある
そこで、目を戻してエスクードはどうでしょうか?
■スポーツエンジン&6AT&電子制御4WDの組み合わせ
もちろん、CVTの評判が芳しくない欧州市場が中心とはいえ、エスクードは6ATを採用しています。
この6ATは、スズキの誇るコンパクトスポーツ「スイフトスポーツ」とほぼ同じものを採用しており、そのレスポンスとダイレクト感たるや、他のSUVとは一線を画するほどです。
心臓部もまた、K14Cというスイフトスポーツと同じエンジンです。ただし、エスクードのそれはレギュラーガソリン仕様にデチューンされており、パワーやトルクが若干抑えられてはいますが…しかし、そのパンチ力はそれでも一級品。
スイフトスポーツに比べ重量は200kg以上も重いエスクードの車体を、グイグイ加速させる程のパワーは十分持ち合わせています。
この1.4ターボエンジンと6ATの組み合わせに、ALLGRIPの「SPORTモード」(詳細は↓のエスクード1.4ターボ試乗動画を観てください)を組み合わせたエスクードの走りは、まさに動画で言っているホットハッチのそれです!
■他のSUVと違う点
これだけの走りを実現するためには、もちろん高い性能のシャシーも必要ですが、エスクードの足回りは、文字通り欧州での走りそのままの足回りです。
日本仕様にと柔らかめのセッティングになぞ変えておりません(笑)
この欧州車直伝(あえてそう書かせてもらいます)の重めのステアリングフィールと、接地性の高い安心できるサスペンション(4輪の接地感)は、私エステラオが非常に「推せる」ポイントの1つです。これがあるからこそ、他のSUVの走りとは違う!と胸を張って言えるのです。
また、ALLGRIP、いわゆる電子制御4WDとは言っても、他のクルマにもそれ、あるでしょ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。もちろん「そこ」だけを切り取ってしまえばそうなのですが、想像してみてください…
ワインディングでそこそこの速度域で走る時…
SPORTモードに入れると、エンジン回転数が高めにキープされるようになります。
6ATなので元々高回転で回っているK14C1.4リッターターボエンジンは、アクセルに対するエンジンレスポンスはすこぶる良く、ある程度回っているエンジンは右足の動きに機敏な反応を返してくれることでしょう。
また、ダイレクト感ある6ATは、ギアの切り替わりを身体全体で感じながら、それこそパドルシフトを使いながらギアの守備範囲を身体で考え、選択して走る楽しみがあるでしょう。
動画でも話しましたように、ATの変速ラグとターボラグが上手に噛み合い、ターボでもストレスのない、それでいて鋭い加速を楽しむ事ができるのです。そう、たとえ結構な勾配の坂道でもね。
しかし、これがCVTであればどうでしょうか?
たとえエンジン回転数が高めにキープされようと、肝心の加速の際アクセルに対する加速のレスポンスは、CVTの特性上トルコンATのダイレクト感には敵いません。
たとえそれが電子制御の4WDだとしても、スポーツモードと銘打っていたとしても、レスポンスが悪ければ「体感できるスポーツ性能」は薄れてしまうと思いませんか?
また、K14C型エンジンは、スズキのフラッグシップエンジンであり、スイフトスポーツに代表される「走りのグレード」に搭載されるエンジンですが、他のSUVはメーカーのラインナップ上、スポーティなクルマに搭載されているエンジンを採用しているSUVは少なく感じます。ここも、エスクードは走りのSUVだと僕が言う部分の1つでもあります。
どうですか?ここまで読んで頂いた方は、いかにエスクードが走りに特化したSUVかが分かっていただけたのではないかと思います。
あえて言おう!
エスクードは、
「目的地に到着するまでの移動手段のSUV」ではない
「目的地に到着するまでの時間をも、楽しみに変えてしまうSUV」であると!