さて、前回のジムニースゴイ記事vol.01では、新型ジムニーの成り立ちについて書きましたが、今回はジムニーの性能に言及していきたいと思います!
死ぬほどマニアックな話が出てきますので、ジムニー好きの諸君!悶絶死するなよ!!
○SUVとジムニーの違いについて
昨今ちまたに溢れているSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ですが、車高がある程度高く、オフロードを走れるような見た目のクルマを全部SUVと呼ぶ傾向があるようです。
僕はファッションで乗るSUVが大嫌いなので、↓の動画でも言ってましたが…
ジムニーをSUVと読んでほしくないというのはここから来ています。
ジムニーは
「本格クロスカントリー4WD」
そんじょそこらのただのSUVとはまるで中身が違うのです。
まぁ、それをより多くの人に伝えたくてこんな記事を書いてるんですが(笑)
それで、ジムニーとファッションSUVの何が決定的に違うのか。
それは
◎悪路走破性能のケタが違う
◎僻地へ踏み入れる能力と生還できる能力の違い
この2点に尽きると思われます。
その2つをラダーフレームという観点から。
ジムニーは、ラダーフレームというハシゴ状フレームに走りに関する大事な機構を組み付け、その上にボディを乗せるという構造を継承しています。この方式はジムニー伝統の方式で、40年以上この構造を続けているのですが、世に走るいわゆる「普通のクルマ」のほとんどはこの構造では造られていません。
モノコック構造と言われる、ボディ全体が繋がって鳥かごのような構造のボディシェルの中に、走りに必要な機構が組み込まれています。
つまり、ジムニーは
その構造だけで相当コストをかけている
という凝った造りなワケです。もう、その構造からしていきなり違うのです。
ラダーフレームを採用しているスズキ車は、ジムニーしかありません。それどころか、軽自動車の中でもジムニーだけです。
「ジムニーのためだけに」
「しかも新型の」
ラダーフレームをわざわざ開発したのですよスズキは。
しかもその新型ラダーフレームは従来のものより大幅に強化され、ねじり剛性が1.5倍にまで高められています。
この時点からして、スズキの本気度が伝わってくると思いませんか??
では、これらのボディ構造の何が一体悪路の走破に関係するのか?
まず、悪路を走破する時に考えなければならないのが、クルマへのダメージです。
考えてもみてください。人類が未踏破の…とまではいかないまでも、深い藪の中や木々が生い茂っている森の中、そしてそこに開けた川…そういった場所を走るのに、まともな道が存在するわけがありません。
当然、大きな石や泥、ガレ場みたいな場所も通る事になります。そうなると、クルマへの外的ダメージは必至。このダメージを受けた時、モノコックボディはまともに走れなくなるのです。
例えば、サスペンション。クルマのタイヤを支える重要な機構であり、走る上で必要不可欠な部品ですが、モノコックボディの場合はこのサスペンション自体が、ボディシェルに取り付けられています。
しかし、モノコックボディは軽量化に優れている反面、昨今の高度なボディ解析技術の恩恵と言うべきか、全体の複雑な面構造により剛性と強度を確保しているという弱点があるのです。
つまり、悪路走行でボディに大きなダメージを受けてしまった場合、複雑な面構造を持つがゆえに、色々なところに影響が出てしまうのがモノコックボディです。そのダメージがサスペンション周りにごく僅かに波及したとしましょう。
その時点で、サスペンションは過大な入力に耐えられない…ダメージを受けた足回り周辺のボディ接合部が破断してしまう事もあるからです。破断してしまったらそれこそ走行不能。破断せずとも足回りが狂えばまっすぐ走れませんし、ステアリングも効かない。
つまりこれ以上悪路を走破できなくなる可能性があるということです。
これが旅での遠征先だったら…?
「還 れ な い」
極端な話、生き残れないかもしれない、と。
この点、ラダーフレーム構造のジムニーはどうでしょうか?
ラダーフレーム構造というのは、頑丈なハシゴ型のフレームに走行に必要な機構を全て組み込み、その上にボディを被せるという構造で、実際にラダーフレームと補機類、そしてステアリングとペダルさえあれば、ジムニーは動きます(笑)
例えば、横転してしまったとしても、ボディがベゴベゴに凹みまくっても、ラダーフレームとその中のものが無事であれば、ジムニーは自力で走って
「還 れ る」
ここが、ラダーフレーム構造がすごいすごいと騒がれる所以なのです。しかし、ここまでの性能はハッキリ言って、今のジムニー乗りの99%の人が必要ない性能です。
でもそれがジムニーのジムニーたる部分なのです。
いかがでしたか?これでもまだジムニーがスゴイということをご紹介するブログの
Vol.2
ですからね?
まだまだスゴイところいっぱいあるんで、vol.3をぜひお楽しみに!!
次が待ち遠しいです。